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特別コラム

古賀コラム(26)犬種差別を知っていますか

小学生のころブルドッグを飼っていました、その名もウスター。夏休みに朝のラジオ体操にお散歩がてら連れて行ったら町内会のオバサンがものすごい勢いで飛んで来て、そんな「危ない」犬を連れてくるなと怒られました。今なら怒鳴り返しますが10歳の自分にはそこまでの力はなく、理不尽な扱いに傷付き涙をこらえながら帰った事があります。ブルドッグという犬種は幸か不幸か「有名」で、怖くて凶暴で危険なイメージが一般の犬のことなど何も知らない方にまで行き渡っています。ブルドッグに実際触れた事のある人や飼った事のある人なら、それが大きな間違いであることが理解できるハズなのですが。

つい先日も、我が家のブルドッグがシーズーに咬まれるという事件がありました。犬種だけ聞くと「咬んだ」のがブルドッグと思われがちですが、正真正銘「咬まれた」方がブルドッグ。情けない事にうちのブルは一般的イメージと対照的に非常に内向的で繊細な心の持ち主なので、シーズーに咬まれて全く反撃もできず、震え上がって逃げ帰って来ました。こちらは普通にリードをつけて公園をお散歩していただけなのに、マナーの悪い飼主がシーズーをノーリードで公園内に離していて、急に追いかけられて咬まれたのです。これがシーズーではなくドーベルマンだったりブルドッグだったりしたら、完全に「事件」になりますが、シーズーだから何となく許されてしまうのが今の悲しい現実です。小さい犬は許されると思っている飼主が多すぎる。(この飼主は謝罪もしませんでした)
逆に大きな犬を飼育されている飼主の方がその重要性を知っていますから、しつけにも厳しいというのも事実です。「犬種」のイメージに飼っている人間まで騙されているのです。

犬には本能があり、それぞれの犬種にともなった性質もあります。それでも普通に生活している状況において、一番その犬の行動を左右するファクターは、飼主による「しつけ」です。噛み付くゴールデンレトリバーもいれば、ヤクザの様なシーズーもいる、弱虫ブルドッグもいれば鬼の様なチワワもいるのです。これは全て、それがどんな「犬種」だったかではなく、その飼主さんがどういう「しつけ」をしたかに寄って来ます。
小さくて可愛い犬を飼っても、ろくな「しつけ」をしなければ簡単に「狂犬」になりますし、アメリカンピットブルを飼っても適切な「しつけ」をすれば素晴らしい「愛犬」になるわけですから、まず犬を飼う時「何犬を飼うか」の前に「どうやってしつけをするか」を考えるべきですね。
人間関係ではないけれど、本当に大切なのは見た目ではなく、中身なのです。

さあ、貴方の飼っているワンコはどんなワンコでしょう?別に何犬でも構いません。
どんな「しつけ」をされた、どんな「性格」のワンコか、答える事ができますか?
それでこそ、貴方はそのワンコの飼主さんと言えるのです。