先日、ショークリップの「いかにも」のプードルを見て、顔が気持ち悪いと泣き出した子供がいました。プードルの飼い主も泣きたかったと思います(笑)。ひと昔前は、気取った奥様をマンガで描く時にツンと口の尖ったプードルを連れている絵を描いた物ですが、時代は変わるもの。今の子供にプードルの絵を描かせると、ほとんどの子がモコモコのテディベアカットの犬を描きます。プードルの爆発的ブームの仕掛人はサロン業界の人間だったと言われるのも納得。プードルが世の中に増えると、一番潤うのはトリミングサロン業界ですからね。
ショップで出会ったチワワにウルウルした瞳に見つめられて、衝動買いしてしまうCMが大流行し、いつも間にかロングコートチワワが日本標準になってしまったのも記憶に新しいところです。最近はスムースのチワワを見るとギョっとする人がいる様です。
日本はとっても変な国、はっきり言うと愛犬家の「犬種選びの情熱」が低い国です。飼育されている犬種にものすごく偏りがあるんですね、流行した犬ばかりがゴロゴロと日本中にあふれている。これは世界中のどこのペット先進国にも見られない傾向です。昨年1年間に販売された子犬は約39万頭ですが、その内9万頭がプードルで7万頭がチワワで5万頭がダックスフンドです。この3種類だけで、全ての犬の半分以上を占めてしまうのです。それってスゴイと思いませんか?犬は150種類もいるというのに!
日本はまだまだ子犬の陳列販売が行なわれていますが、例えば英国で犬を飼いたいと思ったら自分のライフスタイルに照らし合わせて検討し、まず犬種を決めます。犬種を決めてから、犬種ごとのケネルクラブに問い合わせをします。陳列をみてピンときた犬種にするなんてコトが、そもそもない。犬をわけてもらう時も、どんな環境でどう育てるのか、ブリーダーに色々と聞かれます。「テレビで見て気に入ったから」なんて言ったら誰も子犬はくれません。自分の大切な子犬を飼う人間を、あちらではそれくらいの気持ちで選んでいます。
かたや日本では犬が流行ると必ずその犬の「質」が落ちます。今産ませればとにかく売れる!そう思ってジャンジャン子犬を産ませるブリーダーがいる。無理な繁殖で犬のレベルが落ちる。そしてまたその犬に無理矢理子犬を産ませる人がいる。1つの犬種が大流行しもてはやされることで大きな悪循環が産まれていることを、忘れてはいけないと思います。
またプードルほどの人気にはならなかったものの、実に大きな問題を産んだのが、ジャックラッセルテリアの流行。映画で見て「賢そう!可愛い!」と衝動買いした飼い主が多かったんですね。ジャックは最高にキュートな犬ですが、ある意味飼い主さんが「試される」犬種でもあります。少なくとも都心のマンションのベランダに似合う犬ではないですよね。悲しいことに現状では都心の保健所の常連に・・咬傷事故や苦情の訴えの一番多い犬として有名になってしまいました。なんて悲しい現実。
イギリスのジャックラッセルの本には普通にこう書いてあります「1日に4〜5時間は思い切り走らせてあげましょう」それが出来れば、欲求不満でイライラすることもない、フレンドリーなジャックに育つのです。
さて、貴方はどうやって犬種を選びましたか?次には何を飼いますか?