数ヵ月前にR犬を東京のペットショップで求めました。
血統書が来て判った事ですが、生まれたのは私の出身地である熊本県で、7頭生まれた内の1頭でした。
私はおもわず、自分が買った値段に7をかけてしまい、犬の繁殖はずいぶん儲かりそうだと考えたのです。
熊本の実家には利用していない土地もあり、人手もあります。
犬の繁殖を事業にする事は可能でしょうか?
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まず、自分が買った値段に7をかけるのは正しくありません。
熊本でのR犬の生産者価格は3万程度、都市部のペットショップへの卸価格が5万程度、都市部で消費者に売られる時に10〜15万と言うところでしょう。
生産者自身が都市部で小売りしない限り、ご希望の金額にはなりません。
ところで、生産者価格と卸価格に差があるのはおかしいですよね。
生産者とペットショップへの卸し売り者は、必ずしも同一ではありません。
犬の生産者は限られた種類の犬を飼育しており、いつも子犬が居るわけではありません。
都市部のペットショップから見ると、犬の生産者と言うのは「問屋」としては役不足なのです。
ここで、たくさんの犬の生産者を傘下にもつ仲介者(ブローカー)の出番です。
仲介者は傘下の生産者(古くから「畑」と呼ばれています)に対し、交配の世話、業務用フードの供給、血統書の申請代行などを行うかたわら、各犬種の生育状況を常に把握しています。
仲介者は都市部のペットショップからの注文に合わせて、畑から子犬を買い上げ出荷するのです。
すなわちあらゆる種類の子犬を手配できることが問屋の条件なのです。
仲介者は畑に対し、出産子犬の買い取りを約束しているケースが多いですから、それなりのリスクもあります。
あらゆる生産物は流通上のリスクを見込んだ金額で買い取られて行くのです。
さて、この閉鎖的な業界にも新しい風が吹き始めています
ホームページを利用して生産者が直接消費者に直売するケースです。
インターネットはペットの流通を根底から変えて行くでしょう。
この先、犬の繁殖を手掛けようとする人は、子犬を産ませるプロである前に、流通のプロであるべきです。