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特別コラム

原田コラム(40)動愛法の適用

愛知県で「自家繁殖の子犬2頭を無資格で売った理由で逮捕」と言うニュースを見ました。
自分の家で生んだ子犬を他人に売るのに資格が必要なのでしょうか。

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この事例は大型犬による咬傷事故を繰り返し起こした飼育者に対し、動愛法を適用して立件したもので、犬の狂犬病予防注射も受けていないため、狂犬病予防法違反でも調べています。
ただし、この事例を四角四面に考えると、メス犬を飼育する人の多くは業者登録が必要になりますし、数百万頭いると考えられる狂犬病の予防注射を受けていない犬の飼い主を狂犬病予防法違反容疑で摘発しなければなりません。

雨が降った時に隣の洗濯物を取り入れてあげる事が、住居侵入にあたる事は常識的にはありませんが、この家で別の事件が起こっていてあなたが疑われていたら住居侵入は立派な逮捕要件になるでしょう。

動愛法で言う「動物取扱業者」である繁殖家と「一般愛犬家」が子犬を生ませた場合の境い目と言うのは非常に難しく、役所に真正面から問い正すと、今回のような事例もある訳ですから、明確な答えは返って来ないでしょう。
実際的には飼育頭数、繁殖の頻度、売り方、代価などを総合的に裁量して決める事になるでしょうが、これとて数値を示すのは困難です。
10頭飼育する愛犬家もいるし、5頭飼育する業者もいますから・・。
今回の事例では飼育頭数に加え、子犬を売るために「広告」した事、売り値、などが業者と判定した根拠になっていると思います。
ただし、この飼育者が先の咬傷事故を起こしていなければこのような立件はないはずです。