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特別コラム

原田コラム(38)自分のペットには寛容

近年、首都圏で発売された新築マンションの内、75%がペット飼育可マンションであると発表されました。
この割合は年々増え続けており、この率で行くと近々ペットの飼育を禁止する新築マンションはなくなるか、きわめて少なくなると考えられます。
ほとんどのマンションがペット飼育可になると、ある段階からは反対にペットが飼育できない事を売りにするマンションが現われるでしょう。
なぜかと言うと、今日でさえ我が国の75%もの世帯がペット飼育を希望しているのではないからで、首都圏新築マンションに限って言えば、ペット飼育可マンションは数字上は供給過剰に達しています。

たまたま、飼育禁止マンションから飼育可マンションへの買い換え需要が多く、近年のマンション購入層がペット飼育希望に偏っているのであって、この傾向は必ずどこかで頭打ちになります。
住宅供給業界は売れると見れば何でも作り、売れないと見たらすぐ撤退します。
住宅業界にしてみると、こん日は単にペット飼育可マンションブームなのです。

ペット好きも居れば嫌いな人も居り、体質上の理由で飼育できない人も居ます。
必然的に住み分けが進み、特に中古マンション市場ではこの先ペット不可であるために売れない、ペット可であるために売れない、と言う現象が起きるでしょう。

近所のペットがうるさいとか、臭いとかの苦情を寄せる人の内訳を見ると、ペットを飼育している人の方が飼育していない人より多いのです。
多くの愛犬家は、自分のペットには寛容で、他人のペットには厳しいのです。(例外もあります)
ご近所が愛犬家ばかりになったために起るトラブルは難儀だと思います。