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特別コラム

原田コラム(37)犬の市場デビュー

ブリーダーとの人脈がない創業初期のペットショップとしては「犬の競り市場」 は主要な仕入ルートにならざるを得ないと思います。 「犬の競り市場」の活用術みたいなものはありますか・・。

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「犬の競り市場」の問題点を整理してみると。
荷主と買主との間の健康上の責任関係が明確でない。多頭の子犬が同一場所に集合する事によって伝染性疾患の危険性が増す。 ことに集約されると思います。
「犬の競り市場」が良質な子犬の入手方法としては問題もある事を承知の上で 「市場」から生体を仕入れる場合は、
   A「明らかに一胎子」を 
   B「複数で出荷」している
   C「明らかな繁殖家」から  仕入れるよう提言します。

市場には相当に早い時間に着くようにしましょう。
出荷順は受付順で決まる市場が多いため、荷主は競って早く来ています。
駐車場や荷の保管場所を見て歩き、ABCを検証します。
「明らかな一胎子」を「複数で」持っている荷主はブリーダーだと考えて良いでしょう。
下見の段階で子犬の質を見極め、候補を決め、その犬が競りに出るのを待ちます。
車の中は暖かく、皮膚病の犬は必ず掻きますのでチェックします。
悪い兆候を発見したら、その荷主の子犬は全て候補から外します。
その日の犬種の偏りも見極めます。
出荷が少ない犬種は質に関係なく高いので無理をして買わない事です。
出荷が多い犬種は最後の方(皆が腹一杯)で買うと安いです。

市場での禁止行為とされているものに「場外取引」つまり直接売買があります。
流通手数料で成り立つ市場としては当たり前のルールですが、荷主と買主が近寄って会話をする事まで禁止していません。(もちろん推奨もしていません)
名刺交換も禁止していませんし、後日の電話や情報交換、相互の訪問も禁止していません。(もちろん推奨もしていません)
実の所、ペットショップとブリーダーとの人脈は車の窓越しに始まる事が多いのです。
「犬の市場」を利用しなくてもよくなるためには「犬の市場」に通う必要があるのです。
手元にブリーダーの名刺が増え、時には腹をたてて名刺を破り、それでも変色した名刺が数十枚貯まったら、あなたのお店は安泰です。(保証の限りではありません)
いくら欲しくても初期段階では1頭だけで出荷されている子犬は買わない方が良いです。
いつもは買主である業者が荷主の場合はなおさらです。
ショップで具合の良くない子犬を市場で売ってしまおうなんて不心得な業者がいるかも知れないからです。