ペットの雑誌を見ていると「犬の競り市場」の広告がありました。
この市場で子犬を買うためには何かの資格が必要なのでしょうか・・。
安く買えるのなら行ってみたいと思うのですが・・。
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犬の競り市場は全国に何ヵ所かありますが、民間の運営ですから統一されたルールと言うものはありません。
一般に入会(年会費)が必要で、競り市の会場には会員だけが入室できる仕組みです。
入会の資格は「ペット流通業者」と言う事になっていますが、厳格に資格審査をしているとは考えなくてよいでしょう。
ただし、一回子犬を買うために入会するのは現実的ではありませんし、初参加の素人が子犬を競り落とせる雰囲気でもありません。
しかしペット業界に参入意欲のある人は、子犬の流通相場を知るための良い経験になると思いますので、すでに会員になっている人に同伴して見学する事をお勧めします。
昔のように金額を独特の符丁でやりとりしている市場はもう無いと思います。
愛犬家の心情、業界の風潮からすると子犬の競り市場には負のイメージがあり、多くのペットショップは「当店は競り市場から仕入れたりしない」と公言しています。
ところが、どうしてどうして、競り市場は多くのペットショップの社交場の様相です。(ショップ名の入った車では来場されないようです。)
一般人が競りの光景を見た場合、驚かれるのは落札される値段でしょう。
ショップで小売りされる値段との差はともかく、犬種による値段の差は消費者の予測と大きく異なるのです。
競りの性質上、多くのショップが欲しい(定番)子犬は質にかかわらず高く売れ、人気のない(特殊)犬種は上質であっても売れません。
一般人は特殊な犬種は「高い」と考えますが、市場に特殊な子犬が出ると驚くほど安いです。
「特殊」な「大型犬」の子犬が出ると、そんなもの持って来るな・・みたいなやじが飛ぶ始末で、数千円で引取られたり、最悪の場合は荷主が持ち帰ったりします。
大型犬はショップの陳列に入りませんし、めったに売れませんからショップは消費者から注文されていない限り仕入れません。
たまたま特殊な犬の注文を受けているショップがこういうチャンスに遭遇するとその後は市場の常連になるのです。
競り市場の光景をテレビ放映したいとテレビ局から申し入れがあり、反対意見もありましたが、実現しました。
ただし、この当日、テレビカメラが回っている間は競りの金額を実際の2倍でやりとりする事になりました。
つまり8万円で落札したら、4万円払う事になります。
最近の世の中、何を信じて良いのか分からなくなって来たと思いませんか・・。