犬の原産国と言うと、ほとんどがイギリスなのはなぜですか?
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実際に世界地図の上に犬の原産地の分布図を作ろうとすると、イギリス本土が覆われてしまいます。
理由は色々考えられますが、かつてイギリスは世界中の多くの地域を支配しており、とりわけビクトリア女王を始めとする王族が「犬好き」であった事が大きいと思います。
ロシア革命の後、ボルゾイを保護したり、アヘン戦争に乗じて中国からペキニーズを持ち帰ったのもイギリスです。
ゴルフ好きの取引先の社長にパターを贈るみたいに、諸外国から女王への貢物の多くは犬だったようです。
海洋王国イギリスの交易船は訪問先の国々から新品種犬を持ち帰る事に熱心でした。
イギリスは牧畜が盛んで地域の気候に応じた牧羊犬を必要とした事。
狩猟には猟犬が不可欠で、さらには狩猟を貴族のスポーツにまで高めた事。
賭け事が好きな国民性でブルドッグなどの闘犬が多く作出された事。
貴族の競馬に対し庶民はドッグレースに熱中した事。
イギリスでは何故かネズミ退治は猫の仕事ではなく、犬を起用した事。
城や屋敷を守る番犬を必要とした最初の国も、おそらくイギリスだったのだと思います。
動物学研究の分野でもイギリスは先進国で「分類」「進化」「遺伝」など、新品種の発見や改良が国家事業であったとも考えられます。
現在でもイギリスの犬に関する諸団体の名称には王室が関与する「ロイヤル」が冠されており、公園に設置された犬の糞入れポストにも王室のマークが付いています。
ホームレスの人には生活補助がないが、ホームレスの人が飼育する犬には補助金が支給されていた時代もありました。
とにもかくにも、イギリスはペット文化の牽引役である事は間違いありません。
もし、歴代のイギリスの女王が犬嫌いだったとしたら、現在の日本のペットブームもなかったと思います。