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特別コラム

原田コラム(21)狼犬とは

友人が「限りなく狼に近い犬」を飼っていると言います。
これは狼なのですか、犬なのですか?

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狼は犬の祖先だと言われており、狼と犬との間に子供も生まれます。
狼と犬を交配して生まれた犬が50%の「狼犬」で、狼犬はウルフドッグとも呼ばれています。
狼の血が50%入った「犬」と解釈する事により、通常の犬として飼育する事ができます。
逆に犬の血が50%入った「狼」と考えた場合には、特別な飼育施設(動物園など)がない限り飼育する事ができませんから、実に奇妙な話しです。

狼と交配する犬は、もともと狼に近い風貌のハスキー犬や、マラミュート犬ですから、狼犬の作出意図は明白です。
もともと極地ではソリ引き犬の強化のために犬と狼を交配する必要があったと言われています。
50%の狼犬にさらに狼を交配すると75%の狼犬となり、これを繰り返して行くと限りなく狼に近い犬ができる事になります。
99%狼などと言う「犬」も流通しており、実質的には狼と呼ぶべきでしょう。
現在の所、我が国では狼犬の飼育は規制されていませんが、混血の比率によって飼育を禁止している国もあります。
狼の血が入っているから即危険と言う事はありませんが、仮りに狼犬が咬傷事故を起こすような事があると、ことさら厳しい批判にさらされる覚悟は必要と思います。
「それほどまでしてなぜ?」と思うかも知れませんが、狼犬の金色の神秘的な目で見つめられたら最後、あなたもこの「究極の犬」の虜になり、99%を目指す事になるかも知れません。