知人の娘さんはペットの専門学校を卒業した後、ペットショップに務め始めましたが、ある日、子犬の死体がゴミ袋に捨ててあるのを見てショックを受け、辞めたそうです。
ペットの業界ってどこかおかしくありませんか?
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この業界では小鳥屋時代の名残りで、生体が死ぬ事を「落ちる」と表現します。
小鳥屋さんは開店の前に落ちた鳥を拾って歩き、金魚屋さんはバケツを持ってすくって回るのです。
子犬は、小鳥や魚と別に扱われるべきだとおっしゃるのはもちろん正論ですが、落ちた子犬についてどの様に扱うべきかについては、少なくとも消費者の前で議論された事はありません。
数万円の損失の上に、さらに費用がかかる処理を全ての業者に強いる事は現実的ではありません。(ゴミ袋に捨てて良いと言ってるのではありません。)
この分野では現行法規と愛犬家の心情に大きな隔たりがあります。
ペットショップを開業するには、都道府県知事への登録が必要で、その提出書類の中に、動物の死体の処理方法を問う項目があります。
現行法ではこの欄に「廃棄物として処理する。」と記載すれば合法です。
犬の死体は廃棄物です。
つい先日、自分が飼育していた犬の死体を公園で焼いた女性が廃棄物処理法違反(焼却の禁止)容疑で逮捕されました。
愛犬が医療ミスや交通事故で死んだ場合には、器物破損罪で訴えるしかありません。
生きていても、迷い犬が警察に届けられると拾得「物」です。
さて経験豊かなペットショップの経営者なら、落ちた子犬の処理に際しては従業員の目に触れるような事はしないものです。
下は、中央環境審議会動物愛護部会に出席した業界代表者の答弁です。
委員「売れ残った犬はどうするのですか?」
業界代表「処分したりはしません。そんなことしたら従業員が辞めてしまいます。
皆さん動物好きで来てますので・・。」
議事録 http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-12a.html
ここで従業員の雇用事情が出てくるあたり、やはり、どこかおかしいですよね。