行きつけのトリミングサロンのトリマーから「近々、店を移るのでその時は新しい店の方へ来てくれ」と小さな声で言われました。
店の主人は毛髪は薄いが良い人で、何か罪深いものを感じるのですが・・。
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罪深いのはあなたではなく、新しい店のオーナーやそのトリマーです。
この種の話は「水商売」の世界でよく聞きます。
新しい店の側は、トリマーを引き抜けばお客が付いて来るので好都合です。
引き抜かれる側は、人手は無くなるわ、客は奪われるわで、いくらお人好しでも激怒します。
さらに毛髪が・・。
トリミングサロンの新規開店には問題があります。
トリマーを募集すると、スクール新卒生は沢山来るのですが、即戦力とはならず、どうしても経験者が欲しい所です。
役に立ちそうな人材はすでに他店で役に立っているので、引き抜くしか方法がないのです。
一般にトリマーの給料は、転々とする程高くなります。
引き抜きの決め手はお金だからです。
真面目なサロンがスクール新卒生に仕事を教え、やっと使えるようになったら引き抜かれると言う、まさしく仁義なき世界です。
俗に言う「尻軽」は引き抜きに成功しても、さらに良い条件で簡単に他へ移りますから定着せず、他に引き抜かれるとオーナーは自分の過去を棚に上げて、激怒するのです。
激怒の連鎖は「お互いさま」と言ってしまっていいのかどうかわかりませんが、「節操」なんぞと言う言葉はこの業界ではとっくに死語となっています。