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特別コラム

古賀コラム(1)飼うには何犬がいいのかな?

「飼うには何犬がいいのかな?」職業柄、よく人にこう聞かれます。
「何犬が飼いたいかサッパリ分からないうちは飼わない方がイイよ」と答える事にしています。意地悪しているわけではなくって、本当にまだ早いから。
「シュナか柴かで悩んでるんだけど」とか「初めて飼うんだけどシーズーってどうかな」とか、そういう相談は大歓迎です。幾らでも相談にのりますし他の犬種の提案をすることも多いです。

犬は文化でありライフスタイル。「何犬を飼うか」は「誰と結婚するか」と同じくらい大きな選択であり、大げさに言えばその後の生き方を左右します。だから自分で決めるしかない、状況分析と冷静な判断が必要だし、好みも重要、最後には直感も必要です(そしてハズレと思う事もあるでしょう、笑)。
「犬に何を望むのか」それが大切です。自分の内にあるワンコライフをイメージしてもらえればビジョンが湧いて来るはず。
日曜日に車にワンコを3頭くらい乗せて颯爽と山や湖にドライブ。ドアを開けるとヒラリと犬が飛び降りて、一緒にステキなアウトドアライフ♪そんな夢ならゴールデンやセッター、ボーダーコリーやジャック、スタンプーも良いかもしれませんね。秋田犬でも構いません。う〜ん、でも秋田犬となると、イメージの中の車はボルボのツーリングワゴンから軽トラに変わったりして、笑。
日曜日の午後、ワンコとお揃いのシャツと帽子を着て一緒に銀座通りをブラブラ。オープンカフェでジェラートを楽しみながらのんびりしたい!それならチワワやプードル、フレンチやビションもしっくりきます。パグやチャウチャウなら横浜中華街で一緒に肉まんにかぶりついていても絵になって良いですね。
平日の昼下がり、帝釈天あたりを紀州犬系の雑種と散歩、というのも乙なもの。
どこにも出かけず、ペキニーズあたりと一日ゴロゴロもステキです。

犬の種類は世界で150種以上。それらを全部検討して1種類を選ぶ、なんていうのはもちろんムリです。オスかメスかでも悩むし、1つの犬種に色んな色がある。おまけに子犬と親犬は見た目が全然違う。本気で考え始めたらオカシクなっちゃいます。だからもちろん最初は見た目の好みと自分が「ピン」と来る種類を選ぶのが基本ですが、キチンとその後その犬種について検証してみることが大切。人間が長い年月をかけて作出してきた「犬種」ですからそれぞれの犬種に用途や向き不向き、独自の性格があります。それを知らずに無視して飼って痛い目にあう事も多いです。
犬のプロフェッショナルは、何を飼っているかで大体ドンナ人かまでが分かります。その犬を選んだからにはその犬種に行き着くまでの思考回路や判断があるわけですから、人となりが何らかの形でニジミでるもの、一種の占いですね。飼い始めてから似て来る、というのもよく言われている不思議な事実。
この人にはマルが似合うなあと思っていた彼が、実はデンを飼っていたとしたら?まだ彼の事、ちゃんと理解出来ていないかもしれません。

「じゃあアナタは何犬を飼ってるの?自分なら何犬を飼いたい?」これもよく聞かれます。
「ワタシは何犬でもカワイイから何犬でも良いんだ、雑種も歓迎♪」大いなる矛盾に聞こえるかもしれませんが、これもまた真実。犬種を決めて飼ったわけでなくて、流れで何となくこの犬になってね、という方も意外に多いもの。そんな人生もアリかなと。

さあ、ドーベルマン3頭飼っている彼と、チワワとプードルを1頭ずつ飼っている彼、そして雑種を1頭飼っている彼、貴方ならどの彼と結婚しますか?

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シュナ(=シュナウザー)
柴(=柴犬)
セッター(=アイリッシュorイングリッシュセッター)
ジャック(=パーソンラッセルテリア)
スタンプー(=スタンダードプードル)
フレンチ(=フレンチブルドッグ)
ビション(=ビションフリーゼ)
マル(=マルチーズ)
デン(=グレートデン)